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稲刈り

稲刈りとはせがけが終わりました。今年は雨が多く、田はぬかるみ、なかなかバインダーを入れる機会がありませんでした。晴れが続いた束の間に、ここぞとばかりに判断して稲を刈ります。刈ったのち、刈り地にはせがけの棒を組み立て、束ねた稲を天日に干すため一把ずつかけていきます。根気のいる作業です。2日ほどで仕上がりましたが、翌朝雨の中、田に出かけるとはせ棒が倒れていて、また半日かけてかけ直します。というのも雨続きで土がゆるく、支え棒が十分に効かないのです。

おまけにヌカカやブユに咬まれ、まぶたが膨らみました。泥田に足を取られ、脛はパンパンで正座がままならなかったのです。メマトイが眼球めがけてきます。跳ねた泥が目に入り、飛蚊してます。

5月末から今日まで、アメンボ、ヤゴ、赤トンボ、イトトンボ、ゲンゴロウ、豊年エビ、水カマキリ、ヒル、蛇、オタマジャクシ、蛙、イモリ、ゾウムシ、イナゴ、蜘蛛、ドロオイムシ、カメムシ、それにイネコウジカビ、イヌビエ、オモダカ、ホタルイ、シズイ、イボクサ、アザミ、野紺菊などたくさんのいのちとやり取りをして、そしてその日の天気とやり取りもしながら農作業を進めてきました。うまくいく日もあればうまくいかない日もあり、人の力の及ぶところと力の及ばないところもありますが、総体として稲は実り、お米を手にすることができ、美しい田園風景が守られます。

昨今、機械化や農薬によって、生きものの生と死のドラマが見えづらい米作りになっていますが、見えづらいだけで、今でも無数のいのちのやり取りが、田んぼとその周辺で行われています。自然農は苦労は多いけれど、生きもののいのちのやり取りを、日々体感し見られる楽しみと発見があります。

先日の中秋の名月、雲間からとっておきの月が見えました。お月見で人と人がつながっていける、古人ともつながっているのは、うれしいことです。

10月28日(土)陰暦九月九日14時から15時20分、キルタンの会を開催します。秋田市より藤原佳子さんをお呼びし、「歌う瞑想」と呼ばれるインドの讃美歌”キルタン”をリードします。どうぞお越しください。メールにてお申し込み、お問い合わせください。

また、11月1日(水)は陰暦の九月十三日、十三夜です。十三夜の月見をします。こちらもメールにてお申し込み、お問い合わせください。

  メール:jomon.uzumakisha@gmail.com

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鬼剣舞公演

台風18号がやってくるあやしい天候でしたが、仏の加護があったのでしょう、薄日のさす穏やかな天候の中で、谷地鬼剱舞の演舞が庭で行われました。

鬼のもつエネルギーは壮大です。時には制御できずに、邪悪なものと化し、世に災いをもたらします。だから真っ当に制御されなければなりません。邪悪そのものが、角のかたちになっているのですから、仏の加護を得て改心した鬼は、角をもちません。もう、鬼ではなく鬼の顔をもつ仏なのです。角のない鬼剱舞の鬼は、仏の化身です。

壮大な大地のエネルギーを得て、その良導体となった仏の鬼が舞います。制御されてもなお余りある、大地のエネルギーの通り道となった鬼の体。その鬼の舞いは、激しい。力強く、構え、飛び、跳ね、くねり、揺れ、振るいます。鬼剱舞の踊りは勇壮そのもの。それは演舞を終えたあとの、踊り手の吐く息の荒さからも見て取れます。ほとばしるエネルギーの発露は、見ていて気持ち良いものです。すがすがしい気持ち良さです。見ているものの体にも、エネルギーが通過していったからなのでしょう。去年と違う演目もあり、楽しみながら元気をもらえました。

不思議なことに今年も虹が懸かりました。去年は当日の朝、今年は翌日。飛鳥平安から今日まで、延々と伝承されている鬼剣舞。まるで古人の魂が虹となって現れ出て、祝福してくれているかのようです。こうして素晴らしい鬼剣舞の踊りが見られるのも、古の人達からの贈り物です。死者たちの遺産、それが伝統なのだと思います。死者は今生きている私たちに、たくさんの力を贈与してくれます。

私も谷地鬼剣舞の踊りから、たくさんの力をもらうことができました。死者たちの遺産を真摯に受け継ぎ日々精進している、庭元の高橋さん、会長の伊藤さんをはじめ、谷地鬼剣舞のみなさんのお蔭です。ありがとうございます。また明日からのいろいろを頑張ろうと思います。

 短歌三首

笛太鼓 鉦(かね)の囃子(はやし)に 呼び出され 古代の魂(たま)は 地に下りて舞ふ

踊り手の 毛(け)ざい渦巻く 鬼剱舞 息するごとく 力溜(た)め吐く

虹の橋 名久井(なくい)の山に 架け置きて 鬼剱舞の 踊り組去る

10月28日(土)陰暦九月九日14時から15時20分、キルタンの会を開催します。秋田市より藤原佳子さんをお呼びし、「歌う瞑想」と呼ばれるインドの讃美歌”キルタン”をリードします。どうぞお越しください。メールにてお申し込み、お問い合わせください。

11月1日(水)は陰暦の九月十三日、十三夜です。十三夜の月見をします。詳しくはメールにてお問い合わせください。
メール:jomon.uzumakisha@gmail.com

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七夕さま

雨モードの夏は終わりを告げ、晴れの日が続いています。晴れれば気持ちも晴れやかになり、仕事がはかどります。この間雨の日が続き、手をかけぬうちに気がつけば夏の草々は、もう十分に背丈を伸ばしています。いくつかは種を結んでいました。

種が結び始めると、5月からの草刈りにも目途がつき、そろそろ草刈りの時期も終わりになるなと、ほっとします。同時に、なぜか少しばかりの寂しさも覚えます。夏がゆるりと手を振り、遠ざかってゆくからでしょうか。夏への惜別の情なのでしょうか。季節は、上りから下りへと緩やかな放物線を描いて、冬へ向かい始めました。

そばの花が満開です。白い花畑に蝶やトンボや蜜蜂たちが群れ飛び、いい感じです。まるで、里山の片隅に楽土が開かれたようです。楽土はいつも、夏から冬の境目のほんのひと時だけ現れます。それは夜空も同じことで、この時期は月や星々がことのほか美しく輝きます。

先日の陰暦の七月七日には、子どもたちと七夕の催しを楽しみました。曇っていて見えなかったのですが、天空に広がる天の川を心に描き、短冊に願い事を書いて「たなばたさま」を歌い祈りました。どうか、みんなの願い事が天に届きますように。

お月さまお星さまはいつまでも輝きを失うことなく、私たちを天空から見守ってくれます。これまでもこれからもいつの世も、私たちの体と心の拠りどころなのです。

咲くも枯れぬも花なれば、夏の花々は枯れ、入れ替わるように秋の花の嫁菜や野紺菊やススキが咲き始めました。

11月1日(水)に十三夜の月待ちをします。メールにてお問い合わせください。
メール:jomon.uzumakisha@gmail.com


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足踏みミシン

盛夏になったと思ったら、毎日雨模様の天気ばかりです。ほぼ2週間余り、やませによる低温注意報が出て、曇りの日が続き雨が降っています。こうなると稲の実生りが心配ですが、太陽を自ら作ることは適わないので、何とも手の施しようがありません。ちょうど花のかかる時期で、うまく受粉し、粃(しいな)にならないことを祈るだけです。

それにしても自然はわかりません。奥が深い。こんな夏になるとはだれが予想できたでしょうか。今夏は気温が高めの予想だったはずで、人はまだ、自然の総体のほんの少ししかわかっていない、と言えるのでしょう。あくまでも謙虚に、自然を探っていくより手はありません。

蔵に足踏みミシンが眠っていました。ミシン本体の収納袋の部分にネズミの巣があったのでしょうか、もみ殻が詰まっていましたし、動きません。使い物になるかどうか、ミシン屋に見てもらい、結果直してもらいました。使えるようになってよかったです。昔と今を断絶することなく、つないでゆくことができました。古民家も庭の巨木も足踏みミシンもみな、死者たちからの贈り物だと思い、受け継いでいきたいと思います。あとはミシンの使い手を探しています。

今年も北上市谷地鬼剣舞の踊り組が来て鬼剣舞を踊ります。入場無料です。お問い合わせはこちらです。
メール:jomon.uzumakisha@gmail.com


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盛夏

学校が夏休みになった先日、小学生の親子が箸作り体験に参加しました。オノオレカンバの五角箸を磨き、模様をつけ、オイルで仕上げます。熱心に作業をし、親子二組の箸を完成しました。この箸で、いのち渦巻く食べ物をいただき、元気に夏休みを過ごしてもらいたいと思います。

里山の風景の中に、オニヤンマが飛び、ヒグラシが鳴き、鬼百合が咲き、クズの花が乱れ落ち、虻がまといつき、草々は勢い繁茂しています。すさまじいと表現できるほど、いのちの気に満ちている盛夏の中に、私は今いるのです。でも、それは昼間のことで、夏の気は、夜には落ち着いて涼しいのが北国です。そんな北国の夏に体が馴染んできました。

ここにきて稲の出穂があり、田の草取りが終了しました。思えば6、7月の2か月のほぼ毎日田に入り、草取りをしました。草取りをしながら日々、稲の生長を見てきました。草に負けないように手助けをすれば、稲は無肥料でもすくすく育ち、穂が出ます。稲は、太陽と月と地球のエネルギーを受けて大きくなります。稲のおおもとの肥料は、太陽と水と土なのだ、と合点します。植物も動物も、おそらくいのちあるものはみな、そうなのでしょう。

山の畑では、ナストマトキュウリなどの夏野菜が大きくなり、実りだしました。ソバの種まきもしました。田の草取りが一段落し、山の畑や庭の整理に力を注ぐことができるようになりました。いのちを育て、いのちをいただく農の営みは、今その佳境を迎えつつあります。

九月十七日(日)午後1時から、北上市谷地鬼剣舞の踊り組が来て、今年も鬼剣舞を踊ります。入場無料です。お問い合わせはこちらです。

メール:jomon.uzumakisha@gmail.com

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ヤマドリ

先日の月の寺子屋は、月暦のしくみ、二十四節気、閏月、新月、満月、晦日、三日月、二十三夜講、月待ちなどのお話をしました。保育園や幼稚園の子を持つ若いお母さんたちが、熱心に耳を傾けてくれました。月のリズムに同期して暮らす、宇宙のいのちのリズムを体に入れて暮らすことができたら、と思います。

さて、田植えをしてから2か月近くになります。連日暑いさなか、ぬる水に浸かり、ホタルイやシズイやオモダカやコナギの草取りをしていますと、今年もヤマドリが畔に姿を現し、あいさつに来てくれました。柿本人麻呂の「あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」のあの山鳥ですが、田んぼに現れたのは、去年あいさつを交わした美しい羽をもつ雄のヤマドリです。

ヤマドリは草や虫をつつく動作をしながら、ほんの1~2メートルの距離まで近づいてきました。お互い横目で見やりながら、「よかったよかった」と無事に再会できたことを喜びます。来年は会えるとも限りません。ヤマドリは猟の対象ですし、私もあてのない身なのです。

中干しが終わりたっぷりと水を入れました。赤トンボや糸トンボの羽化が始まりました。あそこにもここにも100匹以上のトンボが、田んぼから羽化しています。毎年、この光景に出合えるのが何よりうれしいのです。トンボたちの育ての親の一人となることができたのです。心はずむひと時に、草取りの苦労が相殺され、苗消毒や除草剤なしでよかったと、自ら心に納めます。暑くて仕事はきついですが、一期一会の幾つものいのちと交差する、真夏の田んぼ。朝に田を迎え、夕暮れに田に送られる日々の繰り返し。その繰り返しの中で稲はもう立派な青年にまで成長しました。穂が出るのももうじきです。

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手入れ

気温がなかなか上がらないと思っていたら、陰暦閏五月に入って徐々に高くなり、ここにきて猛暑の日が続いています。

寒くて元気が今一つだった稲の苗は恢復し、絣模様の葉は目立たなくなりました。渚は青田の海となり、夏の風が青いさざ波を立てています。一面の青い鍵盤が、軽やかな夏のメロディーを奏でています。

ひと月ほど毎日田んぼに通い、草取りの日々でしたが、先日4回目の除草機をかけ終わり、草取りの山を越えました。中干しは、ヤゴのために水たまりを残しました。その後たっぷりと水を入れ8月の出穂を待ちます。

イトトンボの羽化が始まりました。これから8月にかけて、アキアカネやウスバキトンボが一斉に羽化します。源氏ボタルが舞い、平家蛍も舞います。水辺の生きものたちが親になる季節がやってきました。

先日、夏の恒例の行事がありました。早朝5時、水源地に通じる林道の草を部落総出で刈り取ります。暑さの盛りの草が勢いよく繁茂するこの時期に、田も水源地も人の手が入ることによって、維持され受け継がれています。

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三陸鉄道北リアス線

人生の縮図のように、山あり川あり海ありトンネルあり平地があります。高い橋もあります。野田村の人たちと久慈から宮古まで、三陸鉄道北リアス線のお座敷列車に乗ってきました。今年で3年目の交流です。
東北の震災から7年目、いまだ傷は癒えず復興途上ですが、野田村の人たちも前を向き、歩み続けています。大きなことはできませんが、これからも忘れることなくつながっていきたいと思います。

車窓から見える風景の程よい移り変わり、色を濃くし始めた緑、青く明るい海、早苗植え渡す青田にアオサギ、こじんまりまとまった集落の佇まい、緑に青の映える季節の片道1時間半ほどの鉄道の旅も、のんびりいいものです。

帰ったら田の草取りが待っています。今年は低温が続き、苗に元気がありません。イネドロオイムシが大量に発生しました。苗消毒をしていないので、止む負えないことですが、自然は複雑で人知を超えていて一筋縄ではいきません。毎年毎年自然の相が違います。虫は見つけ次第つぶしたり胡桃や空木の葉で払ったりしてはいますが、どうなるのでしょうか。絣模様の葉を気にしつつ、あとは稲の生命力を信じて待つより仕方ありません。

苗消毒や除草剤を使わないぶん、今年もヤゴがたくさん発生してゆったり泳いでいました。それをもって、半ば元気の稲ですが、まあ良しとしましょう。

陰暦閏五月です。閏月は19年に7回入ります。どの月に入るかは二十四節気の約束事によります。太陽の周期と調整をする関係で、今年は五月に閏月が入りました。
源氏ホタルが出始めました。マタタビの葉が白くなり、白花白山千鳥が今年初めて咲きました。裏庭に自然に生えてきたもので、豊かな自然に囲まれていることがうれしい閏五月のことです。

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田んぼ通い

庭の花菖蒲が咲き出しました。ドイツ菖蒲のような豪華さはありませんが、気品のある美しさを湛えています。江戸の時代からずっと愛され、千以上もの色変わりがあるといいます。色とりどりの花模様は、紫陽花同様雨によく似合います。華やかと清楚さを併せ持つ陰暦五月の花です。

陰暦の五月は連日、田んぼに通い詰めています。ぬるんだ水に浸かり、田の草を取ります。この時期はイネの株間に生えるヒエやホタルイやシズイなどの芽を、手で掻いて取ります。腰をかがめ一歩ずつ歩いて掻き取るので、時間がかかります。除草機も押して転がします。これがなかなかの力仕事なのです。

ぬる水に浸り草掻きをしていたら、あめんぼやおたまじゃくしにゲンゴロウや水カマキリがいました。ヤマアカガエルの卵塊も浮いています。ヤゴも泳いでいます。蜘蛛が糸を張り出しました。ヒルもいます。カルガモやハシボソカラスやヤマドリがやってきます。

生き物たちが集散する青田に、今日も私は出かけてゆきます。

6月23日(金)夜7時から花田久美子さんと藤原佳子さんのコラボ「天と地の唄」の催しがありました。「今、ここ、私」を離れる唄と音楽の世界。天と地の宇宙に包まれる気持のよい、陰暦五月晦日の夜のひと時でした。


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渚作り

野山に、時鳥(ほととぎす)や郭公(かっこう)や筒鳥(つつどり)が渡ってきて鳴き始めました。空木(うつぎ)や藤の花が咲き、海老根(えびね)、延根千鳥(のびねちどり)、采配蘭(さいはいらん)、甘野老(あまどころ)、一人静(ひとりしずか)、二人静、鈴蘭などの野の花が、そっと、あるいは群がり咲いています。いい季節になりました。いつもの自然の役者が今年も田んぼの周りに揃い、いざ田植えの時です。

畔(くろ)塗り、田起こし、水入れ、荒がき、代(しろ)だし、と順に田植えの準備をしていく中で気がついたことがあります。これは海で言えば、ひたひたの渚を作っているのだなと。人工的に渚を作る作業が田植えの準備なのです。

渚は海でもなく陸でもないところ、それはまた海であり陸であるところです。渚は鳥や魚や蟹や貝やイソギンチャクやゴカイなど、たくさんの生き物で賑わいます。田んぼは水の中でもなく土の中でもないところ、それは水の中ともいえますし、土の中ともいえるます。稲にとっての心地よい生育場所ですが、稗(ひえ)や蛍藺(ほたるい)やこなぎや、またヤゴや水蜘蛛やゲンゴロウやイモリや水かまきりなどたくさんの生き物たちの棲み処でもあります。

海と陸を結ぶ渚が、生きものにとって気持ちいいのと同じように、水と土の境目が稲には快適な場所なのです。稲のために快適な人工の渚を作ることが、田植えの準備と言えます。海と陸の境目の渚、水と土の境目の田んぼ、町と山の境目の里山、そういう境目に生き物は多く集います。生きものの集う境目作りに、ここしばらくは労を払うことにします。

農事を始めるにあたって、山の神に今年の農事の安寧と実り多きことを祈りました。

陰暦の五月です。まっとうな夏を迎えるため、色とりどりの緑が単一の緑色にまとまろうとするかのように、木々は葉の色を濃くし始めました。

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青に緑

空はなぜ青く、草木はなぜ緑なのか、ふとそんなことを思う、気持ちのよい季節になりました。若く瑞々しい青空に緑の草木、その風景の前に立つと、体の細胞が静かに燃え始めます。青と緑には、不思議なエネルギーが潜んでいます。
もし、天地のエネルギーに色があるとするなら、それは青と緑なのでしょう。
青と緑の風景の前で、私は今年の農事の始まりを知ると同時に、野良へ向かう気が、ふつふつと湧いてくるのを感じることができます。

歌♪ いのちの力 ♪

芽吹こうとする  いのちのちから   伸びようとする  いのちのちから
満ちてくる満ちてくる  地上に空に  満ちてくる満ちてくる  ぼくの心に
芽吹こうとする  いのちのちから   伸びようとする  いのちのちから

咲かそうとする  いのちのちから   伸びようとする  いのちのちから
満ちてくる満ちてくる  地上に空に  満ちてくる満ちてくる  きみの心に
咲かそうとする  いのちのちから   伸びようとする  いのちのちから

ぼくの心に   きみの心に       満ちて満ちてくるちから
このちからは  どこからきて      どこへ いこうと  しているの
夢えがいて  愛はぐくみ        銀河宇宙の  旅の空

生まれんとする  いのちのちから   生きようとする  いのちのちから

田んぼの畔の草刈り、くろ塗り、田起こしが終わりました。この後田んぼに水を入れ、荒かき、代かきののち田植えです。卯の花のつぼみが膨らんできました。河鹿蛙の澄んだ声が聞こえています。燕が空を飛び交い、百合の芽が伸びてきました。季節は速さを得て、夏に向かっています。

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直耕

曇りのち雨、俄かに晴れたと思ったら、また曇って雨が降り、そののち晴れ間の広がるうずまき天気の日、縄文のうずまき社の5年目のオープンとなりました。

海上川は楽しそうに歌い、庭の桂はぷちぷちの臙脂の芽を吹き、紫木蓮やさくらんぼの赤白大小の木の花がまずは咲き始め、ラッパ水仙が黄色の光線を明るく放ち、オオイヌフグリの青くやわらかな絨毯が広がり、西洋タンポポが控え目にぽつぽつ目を開け、イヌナズナやタネツケバナがいつのまにかひっそりと咲いています、そんな春の日、みなさんが集まってくれました。

役割を決めずとも、それぞれ自分のできることを見つけ、洗う切る握るよそう運ぶなどして、お昼の用意を整えました。

おにぎりとひっつみ、それにこれも手づくりのスコーンをいただき、楽しく賑やかなお昼時とあいなりました。子どもが8人、にぎやかでした。市と言っても人口は現在2万7千人、去年は2万8千人台だったのに過疎が進む町にあって、子どもの笑顔泣き顔を見るだけで幸せな気分に浸れます。

午後はゆっくり百人一首や坊主めくりを楽しみました。初めての人が多かったけれど、子どもも大人もそれなりに楽しめるところがカルタ遊びのいいところです。

今年は何をしましょう。映画館はなく大きな本屋も寄席も美術館もありません。でも、田舎には大地があります。種を蒔けば芽が出る、肥沃な大地があります。それを生かさない手はありません。江戸時代中期の思想家の安藤昌益が説いた「直耕」。男は穀物を作るために土を耕し、女は服を作るために機を織る、このような労働が人の本来の生き方だ、と言ってます。私は、今年も土を耕し食べ物を作ることにしましょう。食でつながっていけたらいい。

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